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Part1
環境の激変

Part2
改革の課題

Part3
日本経済再浮上の条件

Part4
格差の時代――メガコンペティションの時代

Part5
経済政策の迷走


 Profile

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植草一秀 野村総合研究所上席エコノミスト
2001.10.22

【Part3 日本経済再浮上の条件】
 筆者は2000年代に入った日本経済が、いずれかの時点から再び力強く浮上すると考えている。日本人の資質も日本企業の技術力も依然として高い。だが現状では、過去の成功体験が人々の心を支配し、また政府の政策運営能力があまりにも低下してしまっている。その結果として、日本経済は過去経験したことのないような長期混迷に突入している。日本経済が再浮上を実現するために必要不可欠な条件が二つあると考える。

 第一は国民が日本経済の環境激変を明確に認識し、意識を変え、行動を変えることだ。日本企業が置かれた状況は、ここ数年間で文字通り激変している。この変化を認識し、行動を変えることが求められている。

 第二の条件は、経済政策が能力を回復することである。1990年代以降の日本経済の長期低迷の大きな要因の一つは、経済政策運営の拙劣さであった。90年代前半の経済低迷は、バブル崩壊に連動する言わば避け難い性格のものであったが、90年代後半以降の経済低迷は、政策に起因するところの言わば「政策不況」と言うべきものであった。政策当局が政策運営能力を高め、適切な対応をとらなければ、経済の浮上は困難である。

 国民が、現在生じている日本経済の環境激変とそれが日本企業に及ぼす影響を正確に読み取り、新たに生じる変化に適切に対応することがまず求められる。後述するが、戦後の50年に及ぶ成長時代には堅固であった長期雇用、年功体系などの仕組みは、今後、持続する根拠を失っている。労働市場も激変してゆく。国民は変化を見抜かねばならないし、また政府には労働市場の環境激変に対応した適正な施策の実施が求められている。

 国民の意識と行動の変革が実現し、他方、経済政策が能力を高めることに成功するなら、その時点から日本経済の再浮上が始動するであろう。筆者は日本経済の再浮上が始まるまでになお2、3年の時間を要すると予想しているが、可能な限り日本経済再浮上の時期を近付ける取り組みが求められる。

(Part4 へ続く)

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