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Part1
環境の激変

Part2
改革の課題

Part3
日本経済再浮上の条件

Part4
格差の時代――メガコンペティションの時代

Part5
経済政策の迷走


 Profile

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植草一秀 野村総合研究所上席エコノミスト
2001.10.22

【Part2 改革の課題】
 第二次大戦後、日本は奇跡の復興を果たし、世界第二位の経済大国の地位を築いてきた。戦後、もっとも成功した経済国家は日本であったと言って間違いはない。この日本がいま長期低迷にあえぎ、再生への明るい展望を失い、暗中模索を続けている。「戦後日本体制」は明らかに壁に突き当たっている。「戦後日本体制」を刷新し、新たな活路を切り開いてゆかねばならない。
 この意味において、日本の経済運営システムの抜本転換は不可欠である。それを「改革」と表現するなら、間違いなく我々は「改革」を必要としている。筆者は三つの問題の解決が必要だと考える。

 第一は、「官」と「民」の権力構造の変革である。日本国憲法が規定する公務員は国民の公僕である。国民の意志により国民のために政府が作られ、政府は国民に奉仕する存在である。すなわち水平の権力構造が日本国憲法の規定した「官」と「民」の関係である。これに対し、戦前の大日本帝国憲法においては、官僚は天皇の官僚であり、支配者の一部であった。国民は被支配者であり、垂直の権力構造が規定されていた。

 第二次大戦後、「官」と「民」の関係は垂直の関係から水平の関係に変えられたはずであったが、GHQが官僚機構を戦後もそのまま温存したため、垂直の権力構造が色濃く残り、現在に至っている。
「お上」と「民」の関係を破壊し、真に民主的な「官」と「民」の関係を構築することが求められている。権力構造の問題を象徴しているのが天下り問題である。

 第二は経済運営の基本路線の転換である。これまでの日本の経済政策運営においては、規制をはりめぐらし、そのもとで護送船団方式で業界運営を行なってきた。この方式を大転換すべきである。すなわち、あらゆる規制を可能な限り撤廃し、経済的自由をより広範に認めるべきである。その代わり、結果における責任をそれぞれの経済主体に求めるべきである。自由と自己責任を軸にした経済運営を目指すべきである。

 第三は財政支出の中身の根本的な変更である。我々は財政について二つの重大な問題を抱えている。一つは財政赤字の問題であるが、同時に見落とせない重大な問題は、財政資金の使い方の問題である。貴重な財政資金があらゆる分野に無駄に投入されている。財政資金の使途を根本から見直すことが求められている。

「官」と「民」の関係の再構築、自由と自己責任に基づく経済運営、財政支出内容の全面的な見直し、この三つが改革のテーマであるべきだと筆者は考える。

(Part3 へ続く)

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