【Part3 ABC化学捜査機関の新設】
「戦争と革命」の20世紀は終わったが、国際社会では宗教紛争、民族紛争など低次元紛争が多発し、国内治安上の問題としては、A(アトミック、東海村JCO事故のような放射線事故など)、B(バイオロジー、エイズ、炭素菌など細菌、ヴィールスやO-157学童感染事故など)、C(オウム真理教のようなカルト集団犯罪、サリン事件〔毒ガス〕、砒素入りカレー事件のようなケミカル〔化学〕犯罪、ハッカー事件のようなコンピュータ犯罪)など、従来の警察の教育訓練、装備資器材、職業上の知識では対応し切れない、新たな市民直撃型の危機が発生しつつある。
東海村JCO事故の際、現場配置された警察官には、中性子の知識もガイガーカウンターも防護服もなかった。オウム真理教事件の折も、サリン検知器がなくカナリアを代わりに用いた。ハッカー防止法ができたが、ハッカー特別捜査官は警察庁に20名しかおらず、これではインターネット犯罪を一県警で取り締まれるわけがない。
いま重大な治安問題となりつつある触法精神障害者による殺人事件、特に2001年6月4日埼玉県東入間署で起きた上原孝夫警部補刺殺事件、同8月26日警視庁世田谷警察署の平田隆志警部補刺殺事件など、警察官の刺殺事件は96年以後6人に及び、刑法第39条(心神喪失者などは免責)、少年法(17才以下死刑なし)、精神保健福祉法第29条(知事による入院措置)の欠陥、などによる凶悪精神障害者の野放し状態は、人心を不安に陥れている。
この触法精神障害者問題は、法務、警察、厚生労働三省にまたがる厄介な問題で、刑事責任の有無の判定が、ともすれば加害者の人権過保護、被害者の人権無視(警察官を含む)になりがちな人権派、左派弁護士や精神病医の判定にゆだねられている観がある。
そこで、警察庁としては(1)放射線の知識技術を要するA捜査官、(2)化学方程式がわかる博士クラスの化学捜査官、(3)コンピュータの高度の知識技能を有し、ハッカーに対抗し得るコンピュータ捜査官、(4)刑法第39条該当容疑者の精神分析、刑事責任の有無を判定し得る精神病医学博士クラスの精神障害者関連事件の心理学捜査官を、FBI方式で高給をもって警視正クラスの本庁課長相当職の警察官(技官では不可)としてヘッドハンティングし、少なくとも警察庁(できれば各管区局、7大都道府県警察本部に各1チーム)に「化学捜査隊(班・チーム 名称を問わず)」を編成し、各地でABC事件・事故が発生したならば、直ちに警察法第60条による応援派遣を各県警職員併任発令で行い、専門家として処理させ、終了したら併任解除して本庁へ戻すという運用が可能と思う。
この官職は部下はなくてもよい独任官制とし、事件事故のない平時は研究・調査に専念させるとよいと考える。
これらの他にD(デザスター災害)、阪神大震災、芸予大地震、台風による河川水害など、自然災害に対応できる能力を保持することも必要である。