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目  次

Part1
ひと月百冊を読み、三百枚を書く

Part2
限界まで働かずに、何の甲斐があるのか

Part3
本を読むときに大切な「こころ構え」

Part4
「読む」とは何か

Part5
ページを「折る」

Part6
「抜き書き」の大きな効用

Part7
テレビに情報価値はない

Part8
新聞は朝日、産経、ヘラトリ

Part9
中西輝政先生の情報収集術

Part10
自分の「情報戦略」の見直し

Profile
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福田和也 文芸評論家・慶應義塾大学助教授(4/全10回)
2001.05.31


【Part4 「読む」とは何か】
 さて、話がいささかわき道にそれましたが、まず読むべき本を、どうやって手に入れるか、というところまでは話しました。
 これで、ようやくあなたは、本を手にとり、実際にページを繰って読んでいくわけです。

 読みだす以前に、その本に対する見当は、だいたいついています。
 もちろん、何のために読むか、という目的もしっかりしている。
 となれば、最初から読んでいけばいい、という訳ではないことはお分かりですね。

 無論、小説のように、最初からずっと読んだ方がいいものもあります。
 しかし、学術書などは、たいていはその必要はありませんし、文学作品も資料として扱うならば、その必要はないのです。
 全体を読むべき本もありますが、そのすべてが、あなたの目的にとって役立つとはかぎらないのです。

 ここで、大事なのは、目的を拡張しないことですね。
 つまり、もしもあなたが、『赤と黒』を、フランスのサロン文化を知るために読もうとしているならば、そこに目的をしぼらなければならない。
 自然描写とか、乗馬とか、ほかのことに気をとられてはいけない。

 さらには、これはとても残念なことですし、困難なことですが、小説を読む愉しみに身を委ねすぎてもいけません。
 今、あなたは、文章の材料として、『赤と黒』を読んでいるのであって、小説作品として楽しむのは、別の機会にしなければならないのです。

■テーマを決めて読書する際には、目的を拡張しすぎないこと。

小説の場合、読む愉しみに身を委ねすぎてもいけない。

 いろいろと気をとられていると、肝腎のテーマがないがしろになりますし、また関係箇所のマークもおろそかになります。

 で、テーマをしっかり限定した上で、以前につけた「あたり」の感触を思いだしながら、有用なところをさがして、読んでいきます。あとがきから読んでもいいし、書き出しが最後になっても構いません。つまらないところを飛ばすのは、当然のことです。ただ、一応、全体の流れなり文脈なりを汲んだ上でのことですが。

 読みながら、メモをとる人がいますが、私はあまり勧めません。 たしかに、本を読んでも何かを書き残しておかないと、すぐに忘れてしまう。
 それはその通りですから、最終的にはメモを書くべきでしょう。
 でも、最初から書いてはいけない。
 というのは、メモをとるのは、一応通読をして、あるいは必要な部分を読みきってからにした方がいいのです。

 はじめから取ると、全体から見れば、どうでもいいような事とか、もっと重要な論旨があるのに、その前段のところに捕らえこまれたりしてしまう。

 さらには、メモを取りながらだと、読む速度が落ちます。
 読むことと、書くことは、どうしても生理的なシステムが違うので、読むことを中断して書いていると、集中力が途絶えてしまう。
 では、どうすればいいのか。

(Part4 終)

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