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目  次

Part1
ひと月百冊を読み、三百枚を書く

Part2
限界まで働かずに、何の甲斐があるのか

Part3
本を読むときに大切な「こころ構え」

Part4
「読む」とは何か

Part5
ページを「折る」

Part6
「抜き書き」の大きな効用

Part7
テレビに情報価値はない

Part8
新聞は朝日、産経、ヘラトリ

Part9
中西輝政先生の情報収集術

Part10
自分の「情報戦略」の見直し

Profile
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福田和也 文芸評論家・慶應義塾大学助教授(3/全10回)
2001.05.31


【Part3 本を読むときに大切な「こころ構え」】
 まず何よりも「目的」をはっきりさせることです。
 つまり、自分は、一体何のためにこの本を読むのか、という目的意識をはっきりもたなければなりません。

 ここに1冊の書物があり、その本をあなたが手にする。
 本とあなたが対面をする、という体験自体はどんな本についても、同じですが、しかし実際の読み方、対し方というのは、千差万別です。
 同じ本に対してでも違う。

 たとえば、あなたがスタンダールの『赤と黒』という小説を読むとする。
 『赤と黒』という本を読むということは同じでも、目的意識はいくつも考えることができます。

■同じ一冊の本でも、多様な読み方ができる。

 もちろん、娯楽として、ただ時間を潰すために、あるいは享楽として読む場合もあるでしょう。
 あるいは、学校の課題か何かで、レポートを書くために読むのかもしれない。
 スタンダールという作家が、どんな作家かということを知るために読むこともあるでしょう。
 19世紀ヨーロッパで生まれた、リアリズム小説について知るために読むこともできます。

 もっと細かく考えれば、この小説の舞台となっている、19世紀半ばのパリの様子、社会や都市のあり様を知るために読むこともできる。
 また、嫉妬を中心とした恋愛について考えるために読むこともできます。
 さらには、政治的駆け引きや陰謀について考察することもできますし、また金銭について、あるいは身分を中心的な課題として読むこともできる。

 無論、このように多面的な読み方ができるのは、『赤と黒』が、古典的な傑作だからですが、しかし、どんな本にも、いくつかの側面があります。
 かなり殺伐とした実用書についてでさえ、読む目的というのは、いくつか考えられるのです。

 まず、読む前にそのポイント、つまり自分は何のためにこの本を読むのか、ということを明確にしておかなければなりません。

(Part3 終)

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